チャンスの扉は、すぐ目の前にある。
- 西原咲

- 7月18日
- 読了時間: 4分
パリのポップアップ文化と、人が交差するVernissageの魔法
パリの街を歩いていて驚くのは、
ギャラリーやポップアップスペースの圧倒的な多さです。
(あと、どんなに暑い日でも雪の日でも、テラス席で1杯呑みながら、
お喋りをしている人たちの多さです。こちらはまた次の記事に書きます。)
老舗の格式高いギャラリーだけでなく、街のいたるところに
「数日間だけレンタルできるスペース」が存在します。
ここでは、有名な芸術家だけでなく、駆け出しのクリエイターや、
普段は別の仕事をしている人たちが、自分の作品を展示し、
世の中にアプローチしています。
アーティストにとって、自分の才能を試すチャンスが、
街のインフラとしてごく自然に用意されているのです。
そして、こうしたイベントに欠かせないのが、
初日に行われる Vernissage(オープニングパーティー)や、
最終日の Finissage(クロージングパーティー)です。
イベントの初日や最終日の夜、
スペースにはワインやちょっとした軽食が用意され、
音楽が流れ始めます。
知り合いはもちろん、通りすがりの人や、
アート好きのローカルたちがフラッと吸い寄せられるように入ってきて、
みんなで飲んで、食べて、たまに踊りながら、
アーティストを囲んで夜遅くまで語り合います。
ここから新しい仕事が生まれたり、一生の友人ができたりする、
最高の「繋がりの場」です。
「展示を見にきてください」と言われるより、
「お酒と食べ物があるから遊びにきて」と言われると
一気に心理的ハードルが下がります。
つまり「精緻なマーケティング装置」でもあるのです。
アーティスト本人とグラスを片手に語り合い、
その背景にある物語や人間性に触れると、
来客は「コミュニティの一員になったコスト」としてお金を払うようになります。
先日、私の10歳の時からの日本人の友人が、
パリで陶芸のポップアップに挑戦しました。
彼女が開いた Vernissage と Finissage には、
本当に多様な人たちが集まり、胸が熱くなりました。

また別の日には、染色家として活動するパリジェンヌの
ポップアップの Vernissage にもお邪魔しました。
彼女は手巻き寿司を振る舞ってくれて
(フランス人ならではのアレンジで美味しかった!)、
アーティスト仲間たちを紹介してくれました。
そこには、お互いのクリエイティビティをリスペクトし合う
心地よいコミュニティがありました。

このパリのポップアップや Vernissage の空気感に触れ、
私は自分の働き方を内省しました。
新しいビジネス/プロジェクトを始めるとき、
あるいは新しい組織を作るとき、
私たちはつい「完璧な計画」や「100%の準備」ができるまで、
その扉を閉ざしてしまいがちではないでしょうか。
私は打席に立つことをよく先延ばしにしてしまいます。
しかし、パリのポップアップ文化が教えてくれるのは、
「身内でホームパーティーをするかのように、社会に自分の場を開いてみせる」という
「身軽さの価値」です。
自分たちの想いや技術を真ん中に置いて、
まずは「食べて、飲んで、カジュアルに繋がれる場」を開いてみる。
リラックスした余白の中にこそ、
ロジックだけでは絶対に生まれなかった予期せぬコラボレーションや、
自社のポテンシャルを引き出してくれる新しい出会いが転がっているものかもしれません。
「まだ良く出来る」「もっと実績ができてから」そんなブレーキを少しだけ外して、
まずは自分の想いを、小さく世の中に「ポップアップ」させてみましょうか。
チャンスを掴むための扉は、きっと思っているよりもずっと身近に、
カジュアルに開かれています。
このように、フランス人の生活に根づいた
「カジュアルなネットワーキングとコミュニティカルチャー」について、
次の記事で深掘りするので、ふらっとカフェに立ち寄る気持ちで
覗いていただけると嬉しいです♪



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